Soul of Language
小西麻亜耶の英語学習ブログ
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英語リスニング力アップの『10秒リスニング』

  • 真のビジネス英語
  • 2023.10.20

英語リスニング力アップの『10秒リスニング』

出典:

こんにちは、「コミュニカ」英語塾を主宰する小西麻亜耶です。

初の著書『英語を聞きとる力が飛躍的にアップする新メソッド–10秒リスニング』おかげさまで大変好評をいただいています。多くの生徒さんが、「この書店で見ました!」と写真付きでSNSに投稿してくださり、また、Amazonのレビュー欄にも存じ上げない方からまで、評価コメントをいただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。

「どうやって使うのが効果的?」と質問がありました。

というわけで、今回は「最も効果が上がる『10秒リスニング』の使い方」についてお伝えしようと思います。
まず、お手元に書籍をご用意ください!(笑)
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Step 1 まずは聞く。キーワードを書き出す。

ネイティブスピードの英文を聞くとき、よほど英語に堪能という人でない限り、正確に細部まで聞き取るのは難しいことです。というか、実は細部まできっちり聞き取る必要って、ないのではないかなと思っています。英語におびえている人や構えている人にお伝えしたいのですが、「日本語だったらどうだろう?」と考えるクセをつけると、もっと楽に英語と向き合うことができるようになります。

 

早口の上司がまくし立てるように指示出しをするとき、ディテールまで全部逃さず聞き取るようにしますか? おそらく、仕事ができる人ならその場でメモを取り、指示内容の抜粋や期日、経費などについて漏らさないようにするのではないかと思います。

 

英語だって同じ。ネイティブスピードで話されたとしても、その中にはいくつか重要なキーワードがあり、それさえ聞き取って認識できれば「大意」はつかめるようになります。

Step 2 聞こえた英単語を書き出す。ただし聞くのは10回まで!

TOEIC600点程度といえば、大まかには「上場企業の一般社員に求められるレベル」と言われています。が、おそらくこの程度の方でも、10回聞いてもすべてを聞き取ることは難しいのではないかと思います。

実際に書籍にチャレンジしている生徒さんからも、「Unit 01 Business Exectives」に関しては「先生、私、CEO、CD、DJしか聞き取れませんでした……」という声が上がりました。

ですが、いいんです、それで。逆に、やってはいけないことといえば、「粘りに粘って、100回でも200回でも聞き取れるまで繰り返す」という行為。何がいけないのかというと、「語学習得というものは粘り強く努力することと、必要以上に頑張りすぎないことが必要」という、相反する鉄則があるからなんです。

 

繰り返した「量」こそ、いつしか「質」へと変わる。それが語学です。

Step 3 書き取った英文を清書してみる

10回聞いて書き取りしたら、それを見ながら自分なりに清書します。なぜわざわざ清書する必要があるかというと、これを行うことで、文法や言葉のつながり、関係性などにまで考えを波及させるという学びがあるからです。「わたし」「言った」「昨日」「彼に」「来週の」「パーティー」という言葉を聞いたとして、このままではただのメモ。「昨日、(担当の)彼に会い、来週のパーティーについて(誰を呼ぶか決めようと)伝えました」と書き換えれば、カッコ内の意味を補いつつ、より伝わりやすい文章へと仕上げる訓練ができるわけです。

各チャプターごとに、チェック項目を設けました。複数形のsは書き取れたか、固有名詞がわかったか、ワードの連結によって発音が変化しているところが聞き取れたか、など。中には「Short O」「Dark L」といった、「コミュニカ英語塾」独自の発音ワードが登場します。この法則が頭に入ると一気に聞き取りが楽になるのですが、こちらについてはぜひオンラインサロンで詳しく映像と音声で紹介しているのでご興味のある方はご覧ください。

Step 4 答え合わせ。点数をつけるとますますモチベーションアップ!

正解を見ながら答え合わせをします。この作業は、細かく行うのがおすすめ。というのも、ぱっと見て「theとaが聞き取れなかったのね、はい了解」程度で済ませてしまうと、自分の聞き取りの難癖を理解することができません。「いつもイディオムを聞き落とすな」と思ったらイディオム中心の英単語学習に努めれば良いし、「言葉がくっついて違う発音になるといつもお手上げ」と気づけば、自分でも発音することによってずいぶん聞けるようになります(発音できない音は聞き取れない、というのが私の持論)。

生徒さんが提案してくれたのですが、点数化すると進歩の度合いを測ったりモチベーションアップに役立ちます。方法は簡単。「a」や「the」、固有名詞も含めて、文章に登場する文節すべてを数え、自分が聞き取れたのがそのうちのいくつだったかを割り出します。例えばChapter 1なら文節数は45。そのうち27個の言葉が聞き取れた(書き出せた)場合は、27÷45=0.6。「今日は60%聞き取れたなー」と記録していくわけです。

 

数値にするとやる気もアガる。語学とビジネスの相似点です。

Step 5 和訳して書き出してみる

私があえて、和訳の書き出しまでお勧めするかというと、理由は一つ。

 

理解した後に自分の言葉で文章にできる人は、ビジネスでも成功する

 

からです。そもそも、私の願いは「英語を話せる人が増えたらいいな」ではなく、「ビジネスの場で、英語で引目を感じず堂々と仕事ができる人を増やしたい」です。TOEIC900点を取ったとしても、きちんと自分の言葉で人に話ができないようでは、ビジネスでは成功しません。そしてそれは、英語でも日本語でも同様です。書き取った英文に、日本語としても骨格を与えられるようになれば、英語力だけではない大切な力が育つと考えているんです。

Step 6 発音する。時には自分の声を録音して「客観視」する

いよいよ発音練習。ここからが本番といっても過言ではありません。再度Unitを聞き直し、正しい文章を読みながらゆっくり発音する。次にもう少し早く発音する。何度も何度も発音する。発音しにくい単語や連結音、いつも詰まるところは、そこだけに特化して何度も発音する。自分が話す声を録音して聞いてみる。その上でお手本と比べて何が違うか考えて、再度同様に発音できるように繰り返す……と、しつこいくらい発音していくうちに、無意識のうちに言葉はあなたの体に吸収されていきます。本当ですよ!

日本語でも「言霊(ことだま)」という言葉があるでしょう? あれは「発する言葉にも思いや理念がこもって実現のために力をもたらす」というような意味合いで使われますが、私がここで言う「吸収」とは、何度も発音することによって言葉が体得されるようになると言うことです。ある日、外国人と話している時に、何度も繰り返した言葉がふっと出る、というのは成功した生徒さんたちからよく聞く話。

 

話せない言葉は聞き取れないし、発音できればおのずと口から出てくる

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小西麻亜耶
小西 麻亜耶
KONISHI MAAYA
18歳のときに米ハーバード大学で言語学に出会う。2007年に慶応義塾大学を卒業後、米コロラド大学で言語学の修士過程を首席にて卒業。2009年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。2011年に日英同時通訳・翻訳家として独立。2012年に元アップル・ジャパン社長山元氏にその英語力を認められ(株)コミュニカに入社。独自に開発した英語発音矯正プログラムで、全国から集う生徒は2,000名以上。「英語を諦めない」「話せない人には聞こえない」「聞き返されない英語」をモットーに英語教育に力を注いでいる。
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18歳のときに米ハーバード大学で言語学に出会う。2007年に慶応義塾大学を卒業後、米コロラド大学で言語学の修士過程を首席にて卒業。2009年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。2011年に日英同時通訳・翻訳家として独立。2012年に元アップル・ジャパン社長山元氏にその英語力を認められ(株)コミュニカに入社。独自に開発した英語発音矯正プログラムで、全国から集う生徒は2,000名以上。「英語を諦めない」「話せない人には聞こえない」「聞き返されない英語」をモットーに英語教育に力を注いでいる。
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