Soul of Language
小西麻亜耶の英語学習ブログ
-グローバルに活躍する一流のビジネスパーソンへ-

「出版することよりも難しいのが増刷」という事実

  • グローバルマインド
  • 2020.10.30

「出版することよりも難しいのが増刷」という事実

出典:

こんにちは、「コミュニカ」英語塾を主宰する小西麻亜耶です。

8月末に出版した、私にとっては初の著書『〜英語を聞きとる力が飛躍的にアップする新メソッド〜10秒リスニング』ですが、発売後1ヶ月半でなんと増刷が決まったと出版社から連絡がありました。う、うれしい……。心血注いで作り出したものですから、しみじみとうれしさを噛みしめております。英語の発音矯正、そしてリスニングの重要性、さらにはそれを毎日わずかの時間でも勉強――というか訓練ですね――を継続することで、確実にスキルアップすることをお伝えしたいがために出版しました。読んでくださった方々には、深くお礼を申し上げます。

見方を変えれば、「かくあるべき」もチェンジする

ところで、増刷を聞いて一人喜んでいた私ですが、私とはまったく別の観点から大喜びしてくれた人がいました。生徒さんの一人なんですが、出版業界に長く携わる彼女曰く「初めての著書が1ヶ月半で増刷になったというデータは、今後、Maaya先生の武器になります。今後、Maaya先生の本を出したいと思う出版社は、まずはそういう過去の成績を調べるんですよ!」とのこと。それは知らなかった……。本当にラッキーなことです。

思えば私は、著書を出したという事実にすっかり満足していました。ですが、見る人によって、一つの事象にも別の正解があるものなんですね。これでハッと思い出したのが、これまでにもたまにお仕事として取り組んでいた通訳や翻訳のお仕事のことでした。

「無骨なプロフェッショナル」だけが正解じゃないのかも?

クライアントが語る言葉を、その場で的確に翻訳して、感情を交えずに淡々と伝える→相手が話す→また同様に淡々とクライアントに伝える。その繰り返し。機械のように正確に、私情を交えずに伝えることが「通訳のプロフェッショナル」と言われていました。それは今も変わらないはずです。ですが、時代は日進月歩。AIが進化すれば、そのうちに自動翻訳機が人間に負けない精度で、そういった仕事を果たす日も来るんじゃないかと思います。

正直私は、通訳の現場でもたまに「(クライアントさんも)もっと相手に伝えたいという熱意を態度でもお見せになればいいのに」とか、「クライアントの提案をこのまま外国人である相手に伝えても、かえって誤解されるだろうから、その辺りをユーモアも交えて意訳で伝えてしまいたいな」とか、そんなふうに感じることがありました。クライアントによっては、そういった私のキャラクターも汲んで、仕事を依頼してくれる場合もあるんですが、しかし、だいたいにおいて、「通訳者は控えめに」「通訳者は通訳だけに専念して」「スムーズに終わればそれでいい」という風潮があるような気がします。

BBC放送などの日本語訳を聞いていると、海外の悲惨なニュースを無味乾燥の口調で伝え続けているのにちょっと不思議な気持ちになることがありませんか? でもあれが、求められる資質だと思うんです。

自分にとっての「当たり前」が、誰かにとっては謎と映る

でも……。私に「本を出したことよりもめでたい! 増刷という事実が武器ですよ」と言ってくれた人がいたように、私ももしかしたら、「その訳に、自分の考えも入れてみたら?」「自分もチームの一人として『通訳+α』の存在になるっていうのもアリじゃない?」と、言ってもいいのかもしれません。もちろん、そうなってくるとクライアントとの合意形成や信頼関係の構築が不可欠です。毎回、様々な現場に急遽アサインされる従来の通訳業務では、難しいのでしょうが。

自分にとっての「当たり前」が、誰かにとっては謎と映る可能性があります。長い時間従事しているジャンルでも、たまには別の視点から眺めるとどんな風景に見えるのか、ちょっとのぞいてみませんか? 思わぬ発見、想像もしていなかったパラダイムシフトが起こるかもしれません。

  • この記事を共有する:
  • facebook
  • Twitter
  • LINE

最新記事

  • Profile

    小西 麻亜耶について

  • Popular

    人気記事

小西麻亜耶
小西 麻亜耶
KONISHI MAAYA
18歳のときに米ハーバード大学で言語学に出会う。2007年に慶応義塾大学を卒業後、米コロラド大学で言語学の修士過程を首席にて卒業。2009年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。2011年に日英同時通訳・翻訳家として独立。2012年に元アップル・ジャパン社長山元氏にその英語力を認められ(株)コミュニカに入社。独自に開発した英語発音矯正プログラムで、全国から集う生徒は2,000名以上。「英語を諦めない」「話せない人には聞こえない」「聞き返されない英語」をモットーに英語教育に力を注いでいる。
Mail Magazine
SNS Follow
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube
小西麻亜耶
小西 麻亜耶
KONISHI MAAYA
18歳のときに米ハーバード大学で言語学に出会う。2007年に慶応義塾大学を卒業後、米コロラド大学で言語学の修士過程を首席にて卒業。2009年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。2011年に日英同時通訳・翻訳家として独立。2012年に元アップル・ジャパン社長山元氏にその英語力を認められ(株)コミュニカに入社。独自に開発した英語発音矯正プログラムで、全国から集う生徒は2,000名以上。「英語を諦めない」「話せない人には聞こえない」「聞き返されない英語」をモットーに英語教育に力を注いでいる。
Mail Magazine

※確実にメールマガジンをお届けするために、@docomo.ne.jp等の携帯メールアドレスでのご登録はお控えください。

SNS Follow
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube
Archive