「一流の英語」を話す人に共通する5つの条件
- グローバルマインド
- 2022.08.03
こんにちは、「コミュニカ」英語塾を主宰する小西麻亜耶です。
今回は、多くの人から聞かれる「一流の英語って、何が違うの?」という質問について、私なりの見解をお伝えします。
「一流の英語」には、明らかに条件があります。そして面白いことに、日本語でもわりと同様のことが言えます。おそらくここでご紹介する下記の5つは、明日からでも実践を試みることが可能。「いつも、なんとなく見下される感覚がある」「改まった席での会話が苦手」「会議でのコミュニケーションでは必ず傍観者のままに終わる」という悩みをお持ちの方に、ぜひ読んでいただきたい話です。
「一流の英語」を話す人の条件①
人の名前をすぐに覚え、会話にも取り入れる
日本語でも英語でも、初対面の人と会う時は最初に自己紹介をしますよね。私がこれまでにお会いした会話の達人たち、ビジネスのエグゼクティブたちは、いったん挨拶を交わした後が格段に違っていました。即座に相手の名前をインプットし、そこからの会話の中に頻繁に、しかしクドくない自然さで、名前を口にするのです。
「What do you think, Maaya?」
「Any thoughts from you, Maaya?」
といった具合に。
こんな簡単なことが一流の条件?……とお思いになるでしょうか。けれど、ふだんそうではない人にとって、これを実践してみるのは少し勇気がいるかと思います。日本人は“照れ”の感情があるので、よく知らない相手の名を口にするのは、意外に難しいんです。
相手の名前を発するという行為には、想像以上の効果があります。名前を口にすると、言われた相手は、多少なりとも感情が動きます。これによって、相手の心に最初からスッと入りやすくなり、その結果、相手の集中力を高め、意見を引き出しやすくなるからです。
かつて私は、ニューヨークでの就職インタビューのやりとりが印象的でした。
感じのいいアメリカ人バンカー(とても偉いポジションの)方が、最初にお会いした時から
「Thanks for coming in, Maaya」と迎えてくださり、
その後も折に触れて「Any questions, Maaya?」などと気を使ってくれました。
「すごい!もし採用されたら、このような人たちに囲まれて働くことになるんだ」と気持ちが高揚したのですが、これって、相手(つまり私)に親近感と尊敬の念を抱かせ、さらに入社前の企業に対してモチベーションと印象を良くするのにつながっていますよね、今考えてみれば(笑)。
「一流の英語」を話す人の条件②
強さがある
友人からはよく、「Maayaって、英語を話す時と日本語の時とでは、なんだか感じが違うね」と言われます。日本語を話す時の私はわりと声のトーンが高いのに対し、英語になると一段低くなり、日本語の時に比べて少しどっしりした感じになるんだそうです。
「一流の英語」の条件の一つが強さだと思っている私は、それを体現しようと、英語の時は自然に声のトーンを少し落としているんですね。
「一流」の反対語は、「なめられる」ということです。だからといって、なめられないために乱暴な話し方や大きな声、居丈高な態度は必要ありません。むしろ不要。けれど、会話の中ににじむ凛とした強さは必要不可欠だと思います。
英語は日本語と比べて極めてシンプルな言語です。「私」を表す言葉は「I」で、「私・あたし・俺」などと多彩な表現によって性も年齢もキャラクターまで表せる日本語とは大きく異なります。ですが、男でも女でも、若くても年配者でも、言いたいことは言うし、それが許される社会でもあります。「強さ」は、ビジネスの場だけでなく、礼儀をもって接してもらうための道具ともいえるのではないでしょうか。
では、その強さを会話に取り入れようと思ったら具体的にはどうすれば良いのでしょうか。なかなか難しいのですが、ひとつ言えるのは「自分の意見を逃げずに語ること」です。
意味もなく笑顔を浮かべながら当たり障りのないことを口にしてお茶を濁すとか、途中で言いよどんでしまって誰かに助け舟を出してもらうとか、このような態度がNGです。
「一流の英語」を話す人の条件③
会話に貢献する意志がある
昭和の日本的大企業での会議を想像してみてください。会議の時間中、上級職の数人だけが意見を言い、下の人たちがそれに賛同して終了、というスタイルです。日本では「場を読む」「KYな人になるのを避ける」「あうんの呼吸」などのタイプが尊重され、偉い人の意見に異を唱えたり、場がまとまりかけたところで反対意見を言うと白い目で見られたりします。
しかし、これは本当の意味で「会議に貢献している」とはいえません。会議の目的、あるいはビジネスの目的とは、良い成果につながるためにみんなで案を出して協議すること。会議中、静かに座っていることは協力でも貢献でもないのです。
では、一流の英語を話す人はどのようにして会話に貢献するのでしょうか。私がこれまでに接した中では、常に自分の役割を自覚している人が“一流の貢献者”であると感じます。
意見が言いたそうなのに口ごもっている人に発言を促してあげるとか、あまりにも一人で長々と話し続ける人がいたら上手に次の話題に移るように意見を挟むとか、凝り固まった旧態依然の結論に対して、誰かを嫌な思いにさせることなく新鮮な観点からの意見を述べるとか。これをやろうと思うなら、日頃から観察力を高め、同時に「常に自分を客観視する」という訓練も必要かなぁと思います。会議とは、サッカーや野球のようなフォーメーションプレイ。そんな気持ちに切り替えるといいのかもしれませんね。
「一流の英語」を話す人の条件④
謙遜しても卑下はしない
TOEIC900点以上の上級者クラスでも、たくさんいらっしゃるんですよ、「卑下から始まるイングリッシュ」に毒されてしまった方々が。会話の始まりはこんな感じです。
「I hope I’m not wasting your time……」
「Sorry, my English is not very good.」
「My English may be hard to understand……」
日本語であればこれらに違和感はないかもしれません。しかし、一流の英語の使い手は、例え謙遜するにしてもこのようなことは言いません。たどたどしい英語力でも、こういったことを口にするのは「ダメでも許してね」という、放棄にも似た甘えと受け取られてしまうので、言わない方がいいんです。条件②と重複しますが、自分を卑下することなく、英語力に自信がなくても、自分の意見を自分の言葉で話す・伝えることが最も重要です。
「一流の英語」を話す人の条件⑤
どんな相手に対しても好奇心をもてる
英語圏の人と話していると、よくほめられます。「今日の服、いいね」「その意見、素敵」など、相手に対して思ったことをぽんぽんと口にするのが欧米の人。
ですが、これにはちゃんと意味があります。ほめることは、相手のことを観察していい部分を見つけるからこそできる行為。つまり、コミュニケーションをうまく運ぶための重要なツールともいえます。一流の英語を話す人、一流のビジネスリーダーなどはこの方法を熟知しており、効果的に使います。部下の長所をほめてもっとその能力を伸ばす、などがいい例。しかし、初対面の相手や、苦手な人との会話では、ほめるポイントを見つけるのは至難の技だという人もいるでしょう。そんな時に一流の英語を話す人はどうするかというと、相手に対して好奇心を絞り出します。「絞り出す」なんていうと無理やりな感じもしますが。
知らない相手に好奇心を抱くことは、ビジネスリーダーにとってはさほど難しいことではありません。なぜなら、その会話から得た気づきがビジネスの種になることもあるだろうし、新しい知識にもなり得ます。好奇心を持つことと個人的に相手を好きになることは違いますから、当たり障りない会話で早くこの場が終わって欲しいと退屈な時間をやり過ごすのではなく、「今、この会話の中で得られるものはなんだろう?」と考えつつ、そのためにも、相手を観察し、好奇心を通して切り開いていける人こそ一流ではないかと思うのです。
いかがでしょうか。私自身も常日頃から心がけている、「一流の英語」の5条件。英語でも日本語でも、気持ちよく仕事をし、生きていくために役立つことばかりです。チャレンジするのに躊躇は不要! ぜひ取り組みやすい①からでも試してみてくださいね。