リーチ・マイケルに学ぶ英語学習者に必要な精神
- グローバルマインド
- 2019.10.29
こんにちは、「コミュニカ」英語塾を主宰する小西麻亜耶です。
今さらながらの話ですが、開催中のラグビーワールドカップを夢中になって観戦しています。みなさんはいかがですか? いよいよ11月2日には世界一を決めるイングランド対南アフリカ戦が開催されます。日本が負けたのは残念ですが、それでも今週末は白熱しそうです。
なぜ尊敬される、リーチ・マイケル?
ところで、今回のラグビーワールドカップを見ていて一つ、強く思うことがあります。それが、オールジャパンのメンバーを構成する国籍の多様性と、そうであるにも関わらず、まるで寡黙で無骨な武士の集団であるかのような彼らのキャラクターです。戦う姿の勇ましさはもちろん、衝突しても痛がりもせずオーバーリアクションもなく、コメントを求められてもたかぶらず、常に冷静。そして誰もが日本語を話すのです。日本国籍を取得した人も多いそうですが、それにしても!
主将を務めたリーチ・マイケルは今や日本のヒーローですが、かつては、留学のために日本にやってきた15歳のニュージーランド人の少年、Michael Leitchでした。その彼が今、日本人から国を代表する男として認められているというのはすごいことです。彼の日本語は、テレビでご覧になっている通り素晴らしいものです。しかしみなさん、私たちは彼の日本語が上手だから尊敬の念を抱いているのでしょうか? それは違います。
彼に限らず、オールジャパンの “元・外国人” 選手たちは自らの日本人としてのアイディンティティーをしっかりと持った上で日本を背負って戦い、そして相手チームへの礼儀を失わない。その態度こそ、異国でも尊敬を集める理由だと思うのです。
英語を話せるだけでは身につかないプリンシプル
なぜ私がこんなことを考えてしまうのかといえば、私が育った環境にもよるのかな、と思います。幼い頃から父の仕事の関係で、海外を数年ごとに行き来し、多国籍のお友達たちと共に暮らしてきました。英語が達者になったのはそのおかげも大きいのですが、同時に、“自分の根っこ” がどこにあるのかを強く意識するようにもなりました。私な何人なのか。どの国を代表して発言をしているのか。
流暢に英語を操る一方で、日本を軽んじて外国人に同化したがる日本人が結構いるというのも現実です。「日本人のこういうところってダサいよね」「日本のこういう文化って古くさいよね」と、無意識のうちに上から目線になってしまう、そんな人たちが。もしかしてみなさんの周りにもそういう方がいるかもしれません。
今回のラグビーオールジャパンのメンバーを見るうち、私が感じていた大切なものが見えたような気がしたんです。「グローバル化と国籍不明な人になってしまうのは、まったく異なることなんだ」と。
英語を使ってビジネスの世界で活躍したいなら
これからの時代、ますます国際化が進み、世界で活躍するために英語力は不可欠です。けれど同時に、英語を使ってビジネスの世界で活躍したいと思うなら、かつて白洲次郎が言ったように「プリンシプル」を持っていないと本当の勝負にはなりません。プリンシプルとは、主義や信条のことです。英語の点数をどれだけ上げたところで、自分の信条を持たない人は重要なポジションに立つことは出来ません。知性や考え方にも磨きをかけ、「尊敬されるに値する日本人を」本気で目指す人こそが、スポーツでもビジネスでも国際交流でも、真に活躍できるのではないでしょうか。