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COMMUNICA

ブログ 2017年05月11日
「講演会場のセットアップが意外に大変」Kenji’s Eye(23)

今でも思い出すのは、Steve Jobsをはじめとする欧米人の講演会の準備である。
一番最初にチェックするのは「返しのモニター」の台数や設置位置、画面サイズや解像度だった。
舞台中央のスクリーンにKeynote資料を映し出し、講演者は立って歩きながら話すのが普通のスタイルなので、講演者は返しのモニターに表示されているページを確認しながら、常に聴衆の方に向かって話し続ける。講演台の後ろに立ったまま不動で話したり、机と椅子に腰かけて話すという風景はほとんど見たこともない。舞台の奥行きがあるので、スライドを表示するスクリーンから講演者までの距離が稼げる。従ってスポットライトで講演者も照らすことができる。

私も英語でのプレゼンテーションの「いろは」についてIBM時代に2日間の研修を受けた。これが最初で最後のトレーニングで、あとは自分で身につけたのが今の山元式プレゼンテーションスキルである。立って話した方が腹式呼吸で話せるし、歩いていた方が次々にアイデアが浮かんでくる。だから台本も作らない。聴いていただける聴衆の皆さんにもこの方がメッセージが心に届いていると感じている。

毎年100回近く日本の講演会場で驚きと困惑の連続です。元々はMacを接続・表示できるプロジェクターの問題が多く、毎回ドキドキしながら1時間以上のセットアップ時間をお願いしてきました。最新のプロジェクターではこの問題はほぼ解決されているので安堵しています。それに加えて日本式の講演スタイルは舞台の中央に椅子と机を置くか、講演台の後ろにお隠れになってお話しするのが普通だったようで、ほぼ100%返しのモニターを設置していません。講演者が細かい文字だらけのパワーポイント資料を聴衆にお尻を向けて延々と読んでいる日本式スタイルもこれに起因しているかもしれません。返しのモニターがないのでMacを舞台の中央に置いて講演せざるを得ません。今度は舞台中央までの長い映像と音声のケーブルがない。あっても劣化していて減衰する。アンプなど常備しているケースは少ない。映像と音声だけでもこれだけ苦労します。特に音声というとマイクの音声だけを想像する方も多く大抵は会場に到着してから一からセットアップするケースが多いのが現状です。

最後に照明がこれまた大変です。ホテルなどの部屋などはシャンデリアは豪華ですが、結婚式などがメインなのでしょう。一斉に消したりつけたりのスイッチになっており微妙なコントロールができません。私としては講演資料が綺麗に見えるようにできるだけ部屋の前の方の照明は暗くしたい。できれば真っ暗にしたい。最悪の場合は部屋全体が真っ暗になってしまう。スライドを綺麗にという観点では嬉しいですが、これだと後ろの方の座席に座る人が居眠りを始めるケースが多くなってしまいます、日本人はとにかくどこでも寝てしまいます。しかも講演者の私の顔は全く見えなくなってしまいます。大抵の会場では、舞台の中央で歌ったり座って講演をしている人のためにど真ん中に向けてスポットが設置されています。ホテルでは長い棒を使ってスポットの方向を舞台の端に向けてもらって、そこに私が時々顔をみせるために停止するということも可能です。本来は舞台の奥行きがあれば問題ありませんが、そのような会場で講演会が開催されているケースは多くありません。企業の会議室では絶望的な状況に陥ります。

◯縦長の鰻の寝床のような会場
◯不思議な司会者(すみません(笑))
◯何故か講演会直前の会社役員との面談・昼食会(本当は講演会の前の心の静けさに集中したい(笑))
◯質問のない質疑応答の時間
◯質疑応答の時間なのに延々と自分の自慢話を始める聴衆
◯サイン会では死ぬほどたくさんの質問をしてくれる日本人
◯何故かコンパニオンが整列した豪華な懇親会へのお誘い
◯懇親会では乾杯の音頭など私に気をつかった挨拶になってしまいます(基本的に出席しませんが)
日本で講演するためにはいろいろな不思議とお付き合いすることになります。
毎回全力で対応するために、会社出勤の時と同様に可能な限り会場に到着してセットアップする必要があります。

講演後のメイルが物凄く多いのは、間違いなく整備されたオペラハウスなどの会場で講演したケースです。
悔しさもありますが、私のメッセージは同じレベルのパッションでも聴衆の講演への印象は会場によって恐ろしいほど違いがあるといこともコミュニカでの仕事を通して初めて知りました。会場がとても大切です。だから毎年大きな投資をしてコミュニカ教室も改修に改修を繰り返しています。より良い環境で勉強してもらいたいという私の願いです。

海外からの講演者やエンターテイメントの世界では、会場選びに一番お金と時間を使う理由が今では深く理解できます。