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COMMUNICA

ブログ 2016年06月08日
「起業には私がやるべきという使命感が必要」Kenji’s Eye(5)

私は現在、山元塾という私塾を運営するとともに複数社のベンチャー企業の顧問をしており、同時に複数の企業に投資もしています。これまで多くの起業家に会ってきましたが、投資する起業家を選ぶ際にポイントにしていることがいくつかあります。

1つは、起業だけでなくどんなビジネスにも欠かせないことですが、「やれること」ではなく「やるべきこと」に取り組もうとしているかどうかです。

社会にとってでも自分にとってでもいいのですが、「これをやるべきだ」という強烈なミッションを持って取り組もうとしていることが第一です。

ファッション感覚で今とりあえずやれることをやって起業しても、まず成功しません。プログラマーに多いのが、自分の作れるソフトでとりあえず起業してしまうパターンです。それができたとしても、いったい誰が買うのか分かりません。

同じく「会社に入るのが嫌だから」「会社が嫌になったから」という逃げの起業も、成功しないことが多いでしょう。

当人に「やるべきこと」があって初めて、「なぜあなたがやるのか」「なぜこのタイミングなのか」「なぜ日本でやるのか」という続きの質問をすることができます。やるべきミッションを持ち、この“Why”を論理的に考えられている起業家は魅力的です。

それだけでは充分ではありません。起業するということに並々ならぬ情熱を持っていることが大切です。情熱というより、情念、執念といったほうがいいかもしれません。

最初にスタートしたビジネスモデルがうまく軌道に乗ればそれに越したことはありませんが、うまくいかないとき、雲行きがあやしいと思ったときに、 突き抜ける起業家は次のアイデアを必ず持ってきます。成功した起業家が「成功するまでやったから成功した」とよく言いますが、それは真実です。

起業すると、銀行が金を貸してくれない、信頼していた仲間が出て行ったなど、それこそ壁の連続です。そうした壁を乗り越えていく情念が必須です。

私が基本的に若手起業家にしか投資しないのもそのためです。シニアになると、家庭の事情とか家のローンとか、もう1回就職するだけの理由がたくさんあります。言い訳ができてしまいます。

「ダメだったら、どこかに雇われればいいや」と逃げ道を用意している人は、壁に当たったときにどうしても腰が引けてしまいます。必ず乗り越えるという執念に欠けます。そうすると、自然と成功は遠ざかります。

日本企業、また個人としての日本人も、新しい製品になかなか手を出さない傾向があります。ですから、ベンチャー企業では営業力が鍵になります。

会社が始まった瞬間、自分より年上の担当者に売り込みをかけることになります。しかし、起業のときは若い仲間だけで始めようとするケースが多く、概して営業力がありません。ここで失敗するのが典型的なパターンです。

また、組織というものの性質が分からず、人の問題に対処できないこともよくあります。技術者2人で起業したのはいいものの、人を雇ったら組織がボ ロボロということも珍しくありません。仲間内で固まるのではなく、営業マンと組織運営の経験がある年上の人間を雇うくらいのしたたかさを持ってください。