アップルジャパンの社長まで務めた山元賢治。外資系企業での勤務経験が長いが、それなりの英語力がなければそのポジションで採用されることは不可能である。本人は帰国子女でもなく、海外留学経験もない。海外で生活していた訳でもない。数百回に及ぶ海外出張の経験はあるが一番長く滞在していたのは3ヶ月程度で、後は弾丸ツアーのような現地滞在時間の短い出張がほとんであった。
いったいどのようにして最前線で仕事をしていけるだけのビジネス英語会話力を身につけたのだろうか。これはビジネス英語の習得に苦しむ多くの日本人にとって大変興味があり、是非とも知りたい秘訣であろう。誰もが全く同じ経験をできる訳ではないが、山元が取り組んできた勉強法やキャリアディベロップに多くのヒントが隠されているはずである。もっと興味があるのは、アップル退任後山元の英語力は衰えるどころが加速的に向上している点である。毎日海外の人間と切った張ったのやりとりがなくなった今でも逆に成長のチャンスを得た。
現場で「耳」から鍛えた英語で勝負してきた彼に言語学者の論理的な裏付けがそれを可能にした。特にコミュニカが独自に開発したPhonologyルールによって発音がよりスムーズでネィティブに近くなった。徹底的に発音に重きをおいたコミュニカ英語塾のもっとも優秀な塾生が山元自身だったのである。単純に塾生というだけではなく、山元自身が現場で習得してきたビジネス体験をあらゆるルール開発に注入している点も興味深い。
まさに山元が外資系企業のビジネス現場で身につけた英語がアップル退任後英語ネイティブの小西との出会いにより論理的裏付けができたのである。小西はアメリカやインドネシアで幼少期を過ごしたいわゆる帰国子女である。慶応大学卒業後、コロラド大学大学院にて言語学を極めた言語学のプロである。アメリカの大学でアメリカ人に英語を教えていた稀有な人材なのである。彼女はコミュニカの英語事業部長としてDYE(Design Your English)メソドロジーの開発からレッスン講師のすべてを担当している。レッスンでは山元がサブ講師を担当しているという豪華な布陣である。山元のビジネス現場の経験と小西の言語学が融合したのがDYEメソドロジーである。DYEとは、自分が話したい内容をカッコいい英語で表現できることである。山元のような経験をしているビジネスパーソンは少なく、この経験と理論をより多くの英語弱者に伝えるために設立したのがコミュニカ英語塾。
実際のビジネスの現場で鍛えてき生きた「ビジネス英語」と一般の「ビジネス英会話レッスン」とは何が違うのだろうか。なぜビジネス英会話レッスンに通っても英語って話せないのだろうか。発音や聞き取りの教育はあたりまえだがビジネス英語にはもっと大切なことがある。
その大切なことを伝えるためにDYEメソドロジーを開発し、2012年に設立したコミュニカ英語塾で多くの塾生にレッスンを行ってきたのである。
(1)英語脳:言い訳や長ったらしい日本語を英語に訳すのではく、YES/NOを覚悟をもって瞬断することが求められる。英語で考え英語で話すスピードがなければ会話は成立しない。一度日本語で考えてから、それを英語に頭の中で翻訳していては会話のリズムにならない。
(2)別人格:直前まで日本語脳で考えていた言い訳や回りくどい日本人的言い訳表現はビジネス英語では無意味。日本語で回りくどく話す自分と英語でビジネスしている自分は全くの別人格になっていて当然なのである。言語だけでなく、会議で発言するかどうかなどビジネス習慣が全く違うのである。
(3)Domain Expert:映画やCNNをテロップなしで見たい。または日常会話レベルくらいはできるようになりたいなどという恐ろしい目標をかかげる日本人をよく見かける。とんでもない話である。ずべての領域に対してネイティブレベルで話すことはもっとも難しい目標である。不可能と言っても過言ではないだろう。やるべきことは自分のビジネス領域に関しては完璧に話せるようになること。少なくとも自分の伝えたいことを確実に英語で会話できることではないだろうか。
ビジネス英語とは英語の文法や綺麗な発音を勉強するだけでは不十分。ビジネスの世界でリーダーとして責任と覚悟をもって発言することが必須である。山元がビジネスの現場で鍛えたのリーダーシップと英語力。それに言語学者である小西が理論的に裏付け・肉付けして構築したのがDYEメソドロジーなのである。