1995年7月11日。私が人生で初めての転職をした年だった。大好きなIBMを卒業して日本支社に数百名しかいないOralceに籍を移した。その日はサンフランシスコに出張中でOralce本社のスポーツジムで汗を流していた。ジム内の大画面テレビの映像が私の目に飛び込んできたあの瞬間は今でも忘れられない。感動で体が震えたのを覚えている。
日本人として初めてMLBのオールスターゲームに出場した野茂投手が先発投手としてマウンドに上がっているではないか。今でこそ多くの日本人がMLBで活躍しているが当時は体の小さい日本人にこんな晴れ舞台が用意されるなんて想像もしていなかった。光り輝いている野茂投手からは大きなオーラを感じた。私にとっての「本物の野球侍」はこの野茂英雄さんであり、心の中のヒーローである。
外資系企業に勤める私にとっては眩しい存在に見えた。外国人と全く対等に戦える日本人が登場したと感じた。私などはただの雇われ人で、小さな存在だなと感じていた。野茂投手を見てとてつもなく大きな勇気を頂いた。単にMLBへのいばらの道をこじ開けただけではない大きな功績が彼にはあると思う。(心から感謝)
この歴史的な試合はアメリカンリーグとナショナルリーグの間で行われた66回目のオールスターゲーム。テキサス・レンジャーズの本拠地ザ・ボールパーク・イン・アーリントンで行われた。試合結果は3 – 2でナショナルリーグが勝利した。相手投手があのランディ・ジョンソンだったのも感動的だった。
MLBオールスターにおける日本人選手の歴史は、1995年の野茂英雄(ドジャース)から始まった。野茂は日本人初のオールスター出場と同時に、日本人初のスターティング・ピッチャーという偉業も成し遂げたのだった。
あれから18年、投手としては他に佐々木主浩(マリナーズ)、長谷川滋利(マリナーズ)、斎藤隆(ドジャース)が登板を果たしたが、先発投手として選出され、MLBオールスターのマウンドに立った者は野茂以外にいないそうだ。