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私が初めてアメリカに渡ったのは80年代の後半でした。
日本の経済成長は著しく、アメリカでは日本人であるというだけで歓迎されるムードがありました。片言の英語しか話せなくてもアメリカ人は、
“Are you Japanese? Canon, Sharp, Seiko, Sony, Panasonic, Yamaha”
と日本の会社名を連呼してくれました。
“I love made in Japan!!!” という言葉を耳にする機会も多く、日本の製造業がアメリカで高く評価されていることを子供ながらに感じていました。
ハリウッド映画にも “Konichiwa” “Sayonara” などの挨拶が浸透しており、友達から日本語を教えて欲しいと頼まれるのも日常茶飯事。日本の成功を支える文化や教育についてもよく質問され、教室で発表する機会をもらったりもしました。とにかく、日本人であることを誇りに思えたアメリカ生活でした。
20年の時が経ち、私が社会人になる頃には日本の世界での位置付けはまるで違うものになっていました。
日本は少子高齢の国の代名詞となり、経済成長も失速、グローバル企業のアジア拠点はシンガポールや中国に移転。諸外国からしても、経済的に魅力のない日本市場を特別に待遇するということはなくなってしまったのです。
それに呼応し、社内の人材の英語力に関しても、20年前は「英語が話せるとなおいいですね」というNice to haveだったのが、今ではNeed to haveという必須条件に変わりました。本当の意味で日本はグローバル時代に突入したのかもしれません。